「そばに、いさせてくれ」
アルセンの告白は、何とマインの欲しい言葉をくれるのか。
マインはその言葉に拒否する理由が全くなかった。
マインは自分の首筋に顔を埋め、嘆願しながら抱き締めてくるアルセンを初めて抱き返す。
「昔のようにそばにいてくれるなら大歓迎だ」
ただ、アルセンの気持ちに応えられるとは限らないが。
冷静になったアルセンは、そのマインの複雑な気持ちを読み取るが、もうこれ以上は何もしない。
マインもアルセンに押し倒されるのは勘弁しほしいが、かと言ってここですぐにアルセンとさよなら、というのは避けたい。
妻や子供達とはまた別の、とても大切な存在なのだ。
「ほら、どいてくれ。重いって」
さすがにマインがアルセンを自分の上から押しのけようとするが、アルセンは面白がって離れない。
ただの嫌がらせで離さないのがマインも分かっているので、乱暴に引き剥がす。
飲んだ後に血流の良くなるような事をしたので、少し頭がふらつく。
でも折角開けた酒を残しはしなかった。アルセンが自分より酒に弱いのを知っていて、マインは先程の腹いせとばかりに注ぎまくり、結局そのまま二人、居間で朝を迎える事になる。
マインのそばにいられる。
それは何と幸せな事か。
だがきっとその幸せに俺は慣れてしまう。
その先のさらなる幸福を、いつか求める。
俺はお前を諦めない。
次からはいつもの調子に戻ります。
(2010.10.9)